関節ファシリテーション(SJF)
アメリカの整形外科医マクメンネル博士は、痛みを訴えて病院を訪れる患者さんには、関節の中の動きが原因で起こる関節内運動機能障害による場合が最も多いと言っています。これは病気ではなく、いわゆる“引っかかり”とか“錆び付き”といった関節の中の状態のことです。動かされる関節 が何かの原因でその動きを失っているか、正常とは異なる路を無理に通ろうとしている状態で、 烈しい痛みから軽い痛み、そのほか痺れや関節の硬さなど様々な状態を生み出します。この状態が長く続けば症状はその関節にとどまらず、体のいたるところに様々な状況で出現します。
そして問題なのはそれがレントゲンやCT、MRIには映らないと言う点です。診断名がつかなければ結局、年齢や体重、運動不足のせいにされ、痛み止めやシップ薬で様子を見て下さいと言われるのが関の山です。ましてや脳卒中など色々な病気、骨折の術後や交通事故の後に起こっている痛みや動きの悪さは病気から来るものと判断され、この関節内運動機能障害による問題だとは考えにくいでしょう。
ではどうすればよいのか、私は長い間病院で働き理解されない痛みや動きの悪さに悩む患者さんをたくさん診てきました。その問題を解決する技術として最も有効だったのがSJFです。関節内運動機能障害から来る様々な痛みや痺れ、動きの悪さはSJFにより調整することで消失することが非常にの多く、そういった問題のない状態でリハビリをすることが最も効果的であることは言うまでもありません。
私がSJFを実施して改善した状態や訴え
1.腰椎椎間板ヘルニアと診断された腰の痛みや下肢の痺れ、筋力低下
2.脳卒中後の運動マヒ、麻痺のある手足に起こる痛みや痺れ、浮腫
3.変形性膝関節症、股関節症と診断された関節痛、関節可動域制限
4.頚椎症、脊柱管狭窄症と診断された運動制限や首、背中腰の痛み
5.頸椎捻挫と診断された首の痛み、めまいや痺れ
6.腰椎不安定症と診断された腰の痛み
7.骨折後の関節可動域制限
8.転倒などの外傷後に継続する痛み、可動域制限
9.いわゆる五十肩
10.自律神経失調症と診断された様々な症状
上記は痛みを伴うものが多いですが、これらはSJFの実施で即座に消失あるいは減弱するものもがほとんどです。また関節可動域制限については関節周囲の組織が硬くなっている場合、それを伸ばしていく継続治療が必要な事もあります。それも無理なストレッチでは痛みを伴い余計に硬くなることも多いようです。痛みのないしかも効果的に組織を伸ばすことは医学的知識と経験がなくては行えません。